◆ラブ・アクチュアリー(2004/1/16の日記より)◆
9.11以降世界に蔓延しているもの。
不安?恐怖?憎悪?
NO!そこには愛があふれている。
クリスマスを目前に、様々な形の数々のラブストーリーが、
アットランダムにオンタイムで繰り広げられます。
◆ストーリー1:首相の恋
若くして新イギリス首相となったばかりのデヴィッド(ヒュー・グラント)は独身。
初の首相官邸入邸の際に、秘書の1人ナタリー(マルティン・マカッチョン)にひとめぼれ。
首相という立場上、なかなか積極的にアピールできない。
英米首脳会談の日がやってきた。
アメリカに対して強行的政策を“マニフェクト”にしてきたものの、
訪英したアメリカ大統領(ビリー・ボブ・ソーントン)にいまいち太刀打ちできないでいた。
ところが、デヴィッドは好きものの大統領にナタリーが迫られている場面を目撃してしまう。
大統領との合同記者会見では、コ憎たらしいアメリカ大統領側に対し強気な姿勢を示して、
イギリス国民の支持は大幅UP。
デヴィッドは、ナタリーを見るのが辛くなり、彼女を配置換えし、
自分と直接関わらない仕事に異動させてしまう。
ナタリーとのことで国務にも身が入らないデヴィッド。
スタッフからのクリスマスカードの中に、ナタリーからのカードも入っていた。
「大統領とはなんともありません。私はあなたのものです。」
いても立ってもいられなくなったデヴィッドは…
◆ストーリー2:秘めた思い
とある教会での結婚式。
新郎ピーターの親友マーク(アンドリュー・リンカーン)は新鋭芸術家。
そして、今まさにウェディングドレスを着て入ってきたのは、
新婦ジュリエット(キーラ・ナイトレイ)。
親友とその新妻のために、せいいっぱいの挙式をプロデュースしたマーク。
しかし、その顔には影があった。
夫の親友なのに、自分にはそっけないマークに対し、
自分とも友達になって欲しいとねがうジュリエットは、
結婚式のビデオテープを借りるためにマークのフラットを訪ねる。
慌てるマーク。
ビデオを再生するジュリエット。
マークが撮影したそのビデオに映るのは、
すべてジュリエットだった。
自分にはそっけなかった理由を悟るジュリエットと、
秘めた思いを知られてしまったマーク。
マークはその場を逃げるように後にする。
◆ストーリー3:言葉を超えた愛
作家のジェイミー(コリン・ファース)は、弟に恋人を寝取られて、
傷心のまま1人フランスの湖畔で仕事に専念していた。
近所のおばさんがホームヘルパーとして、
ポルトガル人女性オーレリア(ルシア・モニス)を紹介される。
言葉が通じないながらも、なんとか身振り手振りで
コミュニケーションを取る二人の心はだんだん近づいていく。
しかし、ジェイミーの原稿があがるクリスマス前に、
彼はイギリスへ帰国することになる。
お互いの国の言葉で別れを惜しむ二人。
立ち去るオーレリアを、ジェイミーは引きとめることはできなかった。
イギリスへ帰ってもオーレリアを忘れることができないジェイミーは
ポルトガル語を習い始める。
◆ストーリー4:父と息子
妻に先立たれたダニエル(リーアム・ニーソン)。
残されたのは養子のサムだが、妻のことで悲しむ以上に、
部屋に引きこもるサムのことが気がかりでならない。
親の心子知らずか、サムの悩みは死んだ母親のことではなかった。
同じ学校の女のコへの片思いに悩むサムを、ダニエルは慰める。
アメリカへ引っ越してしまうというその女のコに
なんとか振り向いてもらいたいサムは、
カッコイイところを見せようと、ドラムの練習に励む。
◆ストーリー5:誘惑と疑惑
会社経営者のハリー(アラン・リックマン)は、
妻カレン(エマ・トンプソン)と3人の子供と幸せに暮らしている。
最近気にかかることは、部下のミア(ハイケ・マカッシュ)が
熱烈モーションをかけてくること。
とまどうが悪い気はしないハリー。
会社のパーティーでも、ミアのダンスの誘いに乗る。
親密に踊る夫とミアを不安のまなざしで見つめるカレン。
カレンとのクリスマスショッピングで、魔が差したハリーは、
カレンが別の売り場に行っている間に内緒でミアへ
ゴールドのネックレスをプレゼントに買う。
ラッピングするだけなのにやたら無駄な動きの多い
ジュエリーショップの店員(ローワン・アトキンソン)にイライラ。
そして、カレンがいつ戻るかヒヤヒヤ。
ある日、カレンはハリーのコートのポケットにしのばせてあった
そのネックレスを自分へのプレゼントと思うが、
自分に用意されたのは別の物。
ネックレスを贈った別の女性の存在を知り、部屋で1人涙するのだった。
そんな気持ちを隠したまま、カレンは家族と共に
子供たちが出演するクリスマス児童劇の会場へ向かうのだった。
◆ストーリー6:2年7ヶ月3日間と1時間半の恋
ハリーのもう一つ気になること、それは別の部下サラ(ローラ・リニー)。
彼女の携帯電話がしょっちゅう鳴るのはさておき、
彼女は入社以来、同じ職場のカール(ロドリゴ・サントロ)に
密かに恋をしていてるようだが、周りには見え見え。
ハリーは、サラを呼び、アタックしてみろと促す。
それでも内気なサラはどうにも出来ずにいた。
会社のパーティーでは、なんとカールにダンスに誘われ、
そのまま彼女の部屋へ行ってベッドイン…
だったのだが、いいところで彼女の携帯電話がなりひびく。
電話が鳴るたびに丁寧に対応するサラ。
頻繁にかかってくる電話は、精神を病んでいる
たった一人の肉親である弟からの電話だったのだ。
結局その日以来カールとぎこちなくなってしまうサラだった。
◆ストーリー7:脱モテない男
サエないフリーターのコリンは、どうも女性にモテない。
配達先の会社の美人秘書ミアにも見向きもされず、
バイトで給仕する結婚披露宴では美人コックの機嫌を損ねてしまう。
自分はなぜモテないのか?
イギリス人女性なんかクソくらえ!アメリカへ行けば、
きっとモテモテに違いないと思った は、
親友が引きとめるのも聞かず、単身アメリカへ。
空港についてさっそくバーへ向かったコリンは、
そこでイギリス人男性が好みだという3人のギャルと意気統合。
ウハウハな3人のアパートに泊まることに。
◆ストーリー8:裸の付き合いが先?
コリンの親友が監督する映画の出演者の代役として
濡れ場を演じる代役俳優ジョン(マーティン・フリーマン)と
代役女優ジュディ(ジョアンナ・ペイジ)。
撮影中、演技中でも、代役の彼らの演技で映画に必要なのは画像だけ。
ひまつぶしに何気ない世間話をする二人は、お互い好意を抱いていく。
◆ストーリー9:帰ってきたロックスター
サエない歌を悪態つきながらもレコーディングするのは、
ドラッグ中毒から復活したかつてのロックスター・ビリー(ビル・ナイ)。
以前、自分がヒットさせた歌をクリスマス用に
アレンジした久々のリリース曲である。
宣伝のためのラジオでもTVでも、放送禁止用語を連発したり、
ハチャメチャなプロモーションをするビリーに、長年彼についてきた
マネージャー・ジョー(グレゴール・フィッシャー)も頭を抱える。
ビリーは、今イギリスで人気ナンバーワンのブルーを押えて、
クリスマスに1位になったら素っ裸でこの歌を歌うと宣言。
そして、なんと本当に1位になっちゃった!
お祝いにエルトン・ジョンからパーティーに誘われたビリー。
しかし、クリスマスには愛する人と過ごすもんだとビリーは思いなおし、
パーティー会場を後にする。
大抵のラブ・ストーリーは、一組の主人公カップルだけ、
あるいは、その友人数人の恋愛模様を追うものがほとんど。
でも、この作品は違うの。
ほかの映画で主役を張る一組のカップルが紆余曲折を経ながらも
ラブ・ストーリーを作り上げている間も、
周りの世の中、いや、世界中の人々もまた個々のラブ・ストーリーを展開しているということ。
だから、この作品には主人公がいません。
たとえば、ロミオとジュリエットが敵家どうしながらも愛を貫く間にも、
ロミオの従兄弟とか、ジュリエットの家のメイドとか、
あるいは両家の衛兵の1人にも、それぞれラブ・ストーリーがあるという作品なの。
誰もがラブ・ストーリーを持っている、だから、世界には愛があふれているというわけ。
愛といっても、そこには恋人同士だけでなく、家族愛、親友愛なんかも含むけどね。
で、恋を男性側からも女性側からも見る事ができるし、
必ずしもハッピーエンドばかりじゃないからおもしろい。
こたっぺ☆的には、ストーリー2がすごくステキだなと思ったよ。
可笑しかったところもあちこちあったの。
まず、アメリカ大統領役でビリー・ボブ・ソーントンが出てきたときは、
思わず吹き出しちゃった(笑)
なんか意表を突かれたのと、どうみてもありえねーーーって感じで(笑)
Mr.ビーンこと、ローワン・アトキンソンはもちろんあのノリ(笑)
それから、ヒュー・グラントのダンスは必見!
それ以前に国務は大丈夫なのか?(笑)
9つのラブストーリーは、同時にリアルタイムで存在し、
登場人物はみんなどこかでちょっとしたつながりのあるの。
たとえば、秘書への恋心に国務もままならない(?)英首相デイヴィッド。
その妹は、夫の浮気に泣く妻カレンで、妻を亡くしたダニエルの親友。
親友の新妻に密かに思いを寄せていた芸術家マークは、
上司にせまるミアと友達。
ミアは会社にくるケータリングマン・コリンに見向きもせず、
そのコリンはピーターとジュリエットの披露宴で給仕ボーイもしている。
片思い中のサムはTVで歌うビリーを見て、
「ミュージシャンならどんな変態でもカッコイイところを見せられる」
とドラムを練習し始め、
最後にはみんなの空港で帰還した人、
出迎える人に別れて笑顔で抱き合う様子を見ることができます。
ほかにもカメオ出演では、歴代英国首相・・・・・の写真(笑)、
スーパーモデルのクラウディア・シファー、
チャーリー・シーンの奥さまのデニス・リチャーズ、
こたっぺ☆がすっごく嬉しかったのは、
昔好きでライブにも行ってキャーキャー騒いだイギリスの人気タレント二人組、
アント&デックが観られたこと!!!
PJ&ダンカンっていうデュオでCDも出してたんだけど、
日本ではあまり人気が続かなかったのよね。
今でも元気に番組続けてるんだなぁ。
アントはまたオデコが広くなってたわ(笑)
こたっぺ☆としては、日本でもぜひともクリスマス前に公開してほしかった作品。
イギリスではもちろんクリスマスシーズン向けに出されたものだけれど、
日本だとどうしても数ヶ月遅れることが多いのよね。
日本ではバレンタイン向けの映画として公開されるようです。
う~ん…でも、クリスマス一色の映画なんだけどね(笑)
今まで無表情だったりしたみんなの顔が、到着ロビーに愛する人の姿を見つけると、とたんに笑顔になる…
そんな様子からも、この作品の監督はアイディアを得たようです。
ふと見渡せば、いつもと同じ通りすぎる人々やニュース、世界の動き。
でも、そこには『愛』がある。
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